社労士ってなに?|8士業の1つ『社労士』について徹底解説!

2023.06.27
社労士

「弁護士や税理士は聞いたことあるけど社労士ってなに?」という方も多いのではないでしょうか。
残念なことにまだ一般的にはあまり知られていませんが、社労士は労働法や労働保険、社会保険の専門家です。
簡単に言うと企業や個人に対して、労務管理や年金制度の手続きなどをサポートしています。

今回この記事では、社労士やその仕事について解説していきます。

 

🌟こんな方におすすめ🌟

✅そもそも社労士ってなに?
✅なんとなくは分かるけど具体的に社労士って何をしてくれるか分からない
✅社労士に頼むように言われたけど、どこからどこまでを社労士に頼めるの?
✅社労士にはどんなことを頼んで良いの?
✅社労士資格に興味があるから社労士について知りたい

もくじ

🔷そもそも社労士って……?

🔹社労士とは?

社労士とは、社会保険労務士の略称であり、社会保険労務士法に基づく国家資格です。
労働や社会保険に関する法律に詳しい「ヒト」に関する専門家として知られています。

社労士は、弁護士や税理士、司法書士、行政書士などと同様の8士業に分類されています。
8士業は、住民票や戸籍謄本などの取得を職務上行うことを認められた士業のことです。

社労士は、労働や社会保険に関する書類の作成や提出代行など、特定の業務を独占業務として行うことができます。
労働者の労務管理や社会保険に関する問題を支援し、法的な助言や手続きのサポートができる頼もしい存在です。

以下のリンク先で更に詳しく社労士について説明されています。
👉<全国社会保険労務士会連合会サイト|社労士とは>

🔹社労士の仕事は?

社労士の仕事は「ヒト」の専門家ということで多岐に渡ります。
社労士事務所によって業務範囲は異なる場合があるため注意が必要です。
ご依頼の際はあらかじめ確認していただくことをオススメいたします。

 💡社労士の仕事例

  • 従業員を雇う時の労働条件通知書の作成や雇用保険・社会保険の手続き
  • 日々の労働や社会保険に関する相談への対応
  • 給与計算
  • 10人以上の事業所には必須となる就業規則の作成やチェック/修正
  • 社内研修などの人材育成に関係すること
  • 人事制度の構築/運用
  • 年1回納付する労働保険料に関する書類の作成と提出(労働保険の年度更新)
  • 年1回社会保険料を決定するために必要な書類の作成と提出(算定基礎届)
  • 従業員の育児休業や介護休業などの手続き
  • 従業員が退職するときの離職票の作成、雇用保険・社会保険の手続き
  • 障害年金や遺族年金など年金に関する相談や手続き

上記以外にも様々な業務を生業にしている事務所がたくさんあります。
「あれ?これやってくれないの?」とお互いのミスマッチを防ぐためにも事前確認は必要です。

🔹社労士になるためには?

社労士になるために必要な条件は2つです。

  1. 社会保険労務士試験に合格する
  2. 実務経験が2年以上または事務指定講習の修了

この2つの条件を満たした上で、連合会にある名簿に登録する必要があります。
「名簿に登録」というのはイメージが湧きにくい方も多いのではないでしょうか。
実際は、所属予定の都道府県の社労士会に必要な書類を送る形で手続きを行います。

この手続きが完了すると社会保険労務士を名乗ることができます。

🔹社労士試験について

社労士試験は年に1回、8月に実施されています。
選択式試験と択一式試験の2種類があり、1日で両方を実施する長時間の試験です。

選択式では各科目5点中3点以上、択一式では10点中4点以上が合格基準点となります。

1科目でも合格基準点を満たせない場合は他の科目の点数が高くても不合格になる厳しい試験です。
選択式3点、択一式4点の基準点は得点の分布によっては引き下げられることがあります。
この最低ラインの基準点を全科目クリアした上で、選択式の総得点と択一式の総得点を一定数以上得点しなければいけません。

試験科目は以下の通りです。

 💡選択式試験(40点)

  • 労働基準法(3問)+ 労働安全衛生法(2問)
  • 労働者災害補償保険法(5問)
  • 雇用保険法(5問)
  • 労務管理その他の労働に関する一般常識(5問)
  • 社会保険に関する一般常識(5問)
  • 健康保険法(5問)
  • 厚生年金保険法(5問)
  • 国民年金法(5問)

 💡択一式試験(70点)

  • 労働基準法+労働安全衛生法(10問)
  • 労働者災害補償保険法+労働保険徴収法(10問)
  • 雇用保険法+労働保険徴収法(10問)
  • 労務管理その他の労働に関する一般常識+社会保険に関する一般常識(10問)
  • 健康保険法(10問)
  • 厚生年金保険法(10問)
  • 国民年金法(10問)

気になる方はこちらから試験の詳細を確認できます。
👉<社会保険労務士試験オフィシャルサイト>

🔹社労士試験の合格率は?

社労士試験は合格率が低い難しい試験です。
直近の2022年度の試験では5.3%、低い年では2.6%という数値が公表されています。

過去5年間の合格率は以下の通りです。

試験年度合格率
2022年度5.3%
2021年度7.9%
2020年度6.4%
2019年度6.6%
2018年度6.3%

🔹特定社労士とは?

社労士になり紛争解決手続代理業務試験に合格すると特定社労士と名乗ることができます。

特定社労士になると、ADR(裁判外紛争解決手続)代理業務ができるようになります。
労働や社会保険の専門家、「ヒト」を扱う専門家として個別の労働紛争を「あっせん」という手続きで解決します。

労働問題と聞くと裁判による解決を考える方も多いのではないでしょうか。
裁判は一般にも公開され、お互いの心や名誉を傷つける結果になったり、多額の費用が掛かったりとハードルも高い手段です。
ADRは裁判によらず当事者同士の話し合いで解決を図る方法です。

ADRは社労士では行うことができず、特定を付記された特定社労士でないと行うことができません。

🔷顧問社労士とは?

🔹顧問社労士の特徴

社労士は、税理士や弁護士などの士業と同様に顧問契約があります。
顧問契約にも色々な種類があり、どんな内容なのかは社労士事務所によって異なることが多いです。
よく見かける顧問内容は以下の通りです。

💡労務相談顧問
労働や社会保険に関する相談や困りごとを相談することができる顧問内容です。
問題社員についての相談、就業規則を変更する際の相談、法的に問題ないかなど、労務管理に関する経営者や担当者の悩みに寄り添い相談を受けアドバイスをして一緒に解決を図るプラン内容になっていることが多いのではないでしょうか。
労務相談のみに対応し、手続や提出代行は行わなかったり、スポットとして割引料金で受ける傾向があります。
プラン名もアドバイザリー顧問、パートナー顧問など様々な名称があることも特徴です。

💡手続き顧問
労務相談顧問とは違い、従業員の入社や退社の際の処理など、日々発生する労働社会保険諸法令で必要な手続きの代行をしてくれる顧問内容です。また、以下の内容は範囲外になっていたり、別途オプションになっていることが多い印象を受けます。

・就業規則の作成やチェク/修正
・毎月の給料計算
・賞与計算
・年1度の労働保険料の計算(年度更新)
・年1度の社会保険の保険料を決めるための計算(算定基礎)
・給与に変動があった際に保険料を決め直す(月額変更届)

など  

💡労務相談顧問+手続き顧問
労務相談と手続き代行が一緒になっている顧問内容です。
相談も手続きも任せられる一体的なプランとして用意されている場合が多い印象を受けます。
総合的なプランはなく、両方契約すると割引される設定をしている事務所もあるようです。

上記以外にも事務所によって様々な顧問プランを用意している場合があります。
特に手続き関係は「やってくれると思ってた!」「料金の範囲内だと思ってた!」とならないように、一度ホームページで確認したり、問い合わせて確認することがオススメです。
一例として3種類記載しましたが、顧問契約の内容は事務所によって異なりますのでご注意ください。

🔹顧問社労士のメリット

スポットの対応ではなく、社労士と顧問契約を結ぶことにはどんなメリットがあるのでしょうか?
正直、ここには書ききれないくらい色々なメリットがあります。
その中でも一番大きなメリットは、事情を踏まえた上で解決策を考えたり適切なアドバイスや対応をしてもらえることではないでしょうか。

顧問契約をしていると自然と顧問先の事情に詳しくなります。
スポットの対応だとどうしても表面的でその場限りの一般的な対応になりがちです。
顧問契約をすると、事情を踏まえた上で対応したり、改善策を考えたり、それらに関するアドバイスもできます。

顧問社労士はずっと通っているかかりつけ医のような存在をイメージすると分かりやすいのではないでしょうか。
行きなれない医者よりも、普段から行っているかかりつけ医の方が自分の事情を良く分かっていて適切な処置をしてくれたり、場合によっては大きな病院を紹介してくれます。
顧問社労士も同じで、顧問先の事情を良く把握して、長い目で見た適切な対応をしてくれたり、場合によっては弁護士や税理士などの他の専門家を紹介したりと、顧問先の未来を考えて真摯かつ誠実に対応してくれます。
また、事情を良く知っているため顧問社労士側から能動的に人事労務に関する適切な提案もできるでしょう。

もちろんスポットの対応も真摯で誠実に対応する社労士が圧倒的多数だと思います。
ただ、やはりスポットだと事情を深く知ることが難しく、アウトソーシング的な側面が強いです。

経営者は孤独に陥りやすいのと言われています。
アウトソーサーではなくパートナーが欲しい場合は、社労士と顧問契約を結ぶことをオススメします。

🔹社労士と税理士、何をどっちに相談して良いか分からない。

士業の業務範囲は分かりにくい部分があります。
「相談したいことがあっても社労士と税理士どちらに相談して良いか分からない」という声をいただくことも多いです。

結論から言うと相談内容は気にせずどちらに相談しても構わないと思います。
相談された内容が社労士の範囲であればお答えできますし、違う場合は税理士や適切な士業と連携を取りますので、気にせずに聞いてみても良いのではないでしょうか。

※あくまでも弊所の考えになりますのでご注意ください。

🔷顧問社労士の選び方と注意点

🔹顧問社労士の選び方のポイント

顧問社労士を選ぶ際は相性が大事です。
淡々と処理をしてくれる職人肌な顧問社労士が良いのか、フレンドリィで相談しやすい人当たりの良い顧問社労士が良いのか、ノリが良くテンション高めでぐいぐい引っ張ってくれる顧問社労士が良いのか、オンラインでも対面でも構わないので一度顔を合わせて話すことをオススメします。
その中で相性が良さそうな人を選ぶと良いのではないでしょうか。
また、「相談した相手が担当してくれると思ったら違う人が担当だった」「社労士がやってくれると思っていたら仕事は資格を持たない人が担当していた」という不満を聞くことがあります。
気になる方はその辺りも事前に確認しておくと良いかもしれません。

頼みたいと思っている社労士の対応方法についても確認しておく必要があります。
訪問はあるのか、レスポンスは早いのか、チャットツールは使えるのか、すべてオンラインでやり取りできるのか、電話での対応はいつでも可能なのか、19時以降の対応や土日の対応はあるのか、この辺りも希望がある場合はすり合わせておくと「思っていたのと違った」という食い違いを防げます。

また、アウトソーシングとしての社労士を求めているのか、パートナーとしての社労士を求めているのか、その辺りを明確にすることも大事です。
アウトソーシングとして手続きを依頼しているのに「社労士が提案してくれない」と不満を持つ人をお見かけすることがあります。
顧問プランに含まれてないからか、アウトソーシングだと思っているからか、能力がなく提案ができないのか、提案してくれない理由は様々です。
顧問社労士とどういう付き合いをしたいのかを明確にして、それをお伝えすると理想的な顧問社労士との付き合いができるのではないでしょうか。

 

🔹顧問社労士との円滑なコミュニケーション

顧問社労士との円滑なコミュニケーションを図るためには、定期的なミーティングや相談の場を設けることが重要です。
顧問契約を結ぶ際はそういう機会があるのかどうかも確認しましょう。
また、コミュニケーション手段や連絡方法を明確にし、迅速かつ適切な情報共有を行うことも大切です。
なにかあった際に気軽に相談できるような関係を構築できる社労士を選ぶためにも、やはり事前に社労士との相性を確かめておくのは大事かもしれません。

🔷まとめ

🔵社労士とは国家資格の1つで「ヒト」に関する専門家

🔵社労士になるためには年に1回の合格率6%前後の試験に合格する必要がある

🔵労働社会保険諸法令に基づく申請書や書類の作成、手続きの代行は社労士の独占業務

🔵顧問は「相談だけ」「手続きだけ」「相談も手続きも両方」のプランが多い

🔵上記以外にも事務所によって様々な顧問プランが用意されている場合がある

🔵顧問社労士を頼むことで事情を理解して適切な対応をしてもらえる

🔵顧問社労士を頼む際は相性が大事

働き方改革、労働紛争の予防、
顧問社労士の重要性はますます高まっています。
労働環境の変化や法制度の改正に伴い、顧問社労士は適切な労務管理を行うために不可欠な存在です。

これからは労働者の確保も難しくなり、「労働者を選ぶ」のではなく「労働者が選ぶ」時代に変わってきています。
そうなると、どうやったら労働者に選んでもらえるのか、長く働いてもらえるのか、それが大事になってくるのではないでしょうか。

労働環境の整備、法令遵守、利益を生み出すための生産性の向上のための人材育成、評価制度、社労士の業務は多岐に渡ります。
社労士の顧問料は税理士や弁護士と比べると低い傾向があるようです。
顧問と聞くと高い金額を想像するかもしれません。
顧問社労士はフルタイムのアルバイトやパートの方を雇うよりも安い顧問料で契約できるケースも多く、一考する価値は十分にあります。

是非、これをきっかけに顧問社労士の有無について考えていただけると幸いです。

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